【リハビリコラム】特養のリハビリは誰のお仕事でしょうか?

今回のリハビリコラムは、ご家族様向けというより、介護施設、
特に『特養』と呼ばれる特別養護老人ホームで働く方々向けに
書いてみたいと思います。

皆様の施設では、個別機能訓練加算は算定しているでしょうか?
もし、算定しているのであれば、
特養においてリハビリのお仕事は誰が実施されていますか?

リハビリスタッフですか?
介護スタッフですか?
それとも…?
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特養における個別機能訓練加算の算定要件は、
『常勤・専従の理学療法士等を1名以上配置し、
都道府県知事に届け出た施設において、
利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、
計画的に機能訓練を行っている場合』
と定められており、
同計画書は多職種共同で作成することになっています。
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国が定めた基準である入居者100人につき、
機能訓練指導員1名では、
満足した個別リハの提供は難しいという現状があります。

では、どうすればいいのでしょうか?

打開策の一つとしては、
介護関連スタッフ全員で取り組むことが挙げられます。

様々な考え方がありますが、
“生活リハビリ”という概念で捉えるならば、
多職種連携でつくられたオリジナリティの高い計画書に沿って、
介護スタッフが歩行や排泄の介助をする際、
身体機能を引き出すような支援をすれば、
それは十分リハに相当すると考えられます。

施設での暮らしすべてが“生活リハビリ”として考えるなら、
特養におけるリハは、
機能訓練指導員が業務独占するものではなく、
スキルをもって対応すれば、
介護スタッフでも大きな効果をもたらすといえます。
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特養では『リハ=生活』という考え方が浸透してきましたが、
病気を治すために頑張るという『リハ=機能訓練』として理解されている方も
依然多いと感じます。
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お食事やお薬と同じで、
入居者が充実した暮らしを送るためにリハは必要不可欠であり、
入居者の特長を捉え根拠のあるケアを導入することが重要です。

例えば居室の生活環境設定、福祉用具の活用、
ポジショニング、シーティング等もリハの一環であり、
徹底すれば大きな効果をもたらします。
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特養におけるリハビリの取り組み例として、
社会福祉法人兼愛会で過去に取り組んだリハビリ体制をご紹介します。
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『生活リハビリテーション促進委員会』という名前の委員会を創設し、
各ユニットからリハビリに関心の高い職員を立候補で選抜しました。
そして、月に1回リハビリについての研修会を開催し、
介護現場で課題になっていることを検討しました。

その結果、介護スタッフの
モチベーションアップや意識改善につながりました。
リハビリを学ぶことで新たな視点で
入居者のケアを捉えることができるようにもなりました。
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ちなみに下の画像に写る介助者は
理学療法士ではなく、介護スタッフです。
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特養で言語聴覚士の介入は、
誤嚥性肺炎や感染症の予防、
コミュニケーション能力の向上等に大変有効です。
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このようにリハビリスタッフが行う機能訓練に終止せず、
ケアスタッフ全員でリハビリ体制をつくり上げることが大切です。
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そして、QOLが向上するようなケアを心がけることで入居者が元気になり、
施設に笑顔が溢れるような環境が今求められています。

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