【リハビリコラム】介護現場は百花繚乱

今回のリハビリコラムは、
介護現場で働く方々向けに書いてみたいと思います。

よく介護現場では
『“個別ケア”が大切。』といわれますが、
“個別ケア”を推進していくためには
どのようなことに留意すればいいのでしょうか?

“個別”を和英辞典で調べてみると、
discreteness、individual、separate
という単語が出てきました。
一方、“個性”を調べてみると、
one’s personality、individuality
という単語が出てきました。

“個性”を伸ばすことを
develop one’s personality、
“個性”を発揮することを
show one’s individualityといいます。

介護現場から“個別ケア”を考えた場合、
英訳としてふさわしいのは
“個性”individualityとか
personality、の方かと思います。
入居者や利用者の“個性”を
いかに引き出していけるかが
“個別ケア”のヒントになるかもしれません。

一般的に“個別ケア”とは、
その人の人権を守り、
その人らしい暮らしができるよう支援をすること、
そして、その人の人生をふまえた現況に配慮し、
特有の課題やニーズを知り、
生活の質が向上するよう支援することであると
いわれています。

一言でいうなら、
“人を大切にするケア”だといえると思います。

“介護現場は百花繚乱(ひゃっかりょうらん)”と表しましたが、
施設には個性豊かな方々がいらっしゃり、
それぞれ様々な人生を送ってきたという経歴があります。
したがって、一律の介護ではなく、
それぞれの方にあった個別の対応、
すなわち『個別ケア』が必要になります。

そして、個別ケアには
“バランス感覚”が重要になってくると考えております。

高齢者を支援していくうえで、
これらのような暮らしの中に
“メリハリ”をつけていくことが自立支援になり、
安全で充実したケアにつながり、
延いては入居者の“生き甲斐”という
生活意欲の向上につながっていくと思います。

人は排泄したいときにトイレに行き、
体が疲れたり、汚いと感じたりしたときに
『お風呂に入りたい。』と考えます。
また、お腹が空いたら食べたいし、
気分転換したいと感じたらどこかに散歩に行ったりします。

このような当たり前の人間の欲求に合わせ
介護を提供するためには、
ケアスタッフ一人ひとりの“思いやり”が大切です。
そのためには自分たちのペースで介護を提供するのではなく、
入居者目線での支援が大切であり、
個別ケアという概念をスタッフ一人ひとりが理解し、
日々意識しながらスキルアップに心がけることが
重要であると考えます。

そして、個別ケアでは下記の4つの要素が大切であると考え、
そのためのポイントは
“自己決定権の尊重を重視する”ということです。

例えば、『○○しましょう。』と声をかけるのではなく、
『○○しませんか?』と、
疑問形にして声をかけることが自己決定権の重視につながります。

そして、まごころ込めたケアを継続することで、
『心地いい』介護につながっていくと考えております。

今、医療・介護業界は、
ケアからサービスの時代になったといわれております。
“個別ケア”を意識した上で、
生活リハビリを実施していくと、
それが自立支援に直結し、
その先の“心地よさ”につながるのではないかと思います。

みなさんももう一度、
ご自身のケアを見直してみませんか?

【リハビリコラム】元気になる“ツボ”とは?

皆さんは『東洋医学』に興味がありますか?

私は理学療法士として
高齢者のリハビリを専門としておりますが、
あるとき東洋医学のことが気になり、
当時病院で働きながら夜間は専門学校に通い、
鍼灸師の資格を取得しました。

東洋医学を勉強した上で
西洋医学では考えもつかないことや驚くことが多く、
東洋医学の奥深さを感じました。
西洋医学としてのリハビリも大切ですが、
同時に患者や利用者を東洋医学の“目”で診ると、
また違った見解がもてたりします。

今日は、その東洋医学から
高齢者のリハビリを考えていこうかと思います。

東洋医学では
“気”は=エネルギーとして捉えられています。
そして、人間には以下の4つの“気”があるといわれており、
存在する場所やはたらきで
4つに分けられ生命活動を維持しています。

元気(げんき):

もっとも重要で原気や真気ともいわれ、
生命活動の基本となる気です。
主に先天の精(生命の源)が変化したものだと
考えられています。
生まれてからは後天の精(呼吸や飲食物から得られ、
東洋医学でいう「水・血」のもと)によって
補充されると考えられております。
へその下あたりにある「腎」から
全身にくまなく行きわたると考えられています。
元気が不足すると病気にもかかりやすくなります。

宗気(そうき):

胸中にある気のことです。
心臓を規則正しき拍動させ、
肺の呼吸作用と
心の血を循環させる機能があるといわれています。
また、見る、聞く、話す、動くといった
体の機能とも関係します。

営気(えいき):

栄養分が豊かな気のことです。
血液中に存在し、血の流れによって全身を循環し、
栄養分を補給すると考えられています。

衛気(えき):

皮膚から身体の奥まで全身くまなく分布し、
体表面を保護し、
邪気の侵入を防いでいると考えられています。
汗腺を開閉して体温調節する、
臓腑を温めるなどのはたらきがあります。

東洋医学独特の表現方法や言葉が出てきたため、
なかなか分かりにくいと感じる方も
いらっしゃるかと思います。

様々な考え方がありますが、
かなり噛み砕いていうと、
東洋医学でいう「気」は“エネルギー”と考えられており、
それには先天性のものと後天性のものがあり、
「気」により生命が保たれていると
解釈していただけたらと思います。

では、東洋医学でいう
“気血”とはなんでしょうか?

“気血”とは、「気」と「血」に分けられますが、
東洋医学ではそれに「水」が加わり、
体の基本となっていると考えられています。

「気」はエネルギーであり、
「血」は血液、「水」は体液と考えられており、
この3者が体を巡り、バランスをとることによって
生命の活動が成り立っていると考えています。

健康な状態は、
この「気」と「血」と「水」がバランスを取りながら
順調に体内を巡っている状態であるとされ、
反対に病的な状態は、3者の巡りが悪くなり、
バランスが崩れていると考えられており、
病気を治すには
まずこの不調状態を調整することとされ、
東洋医学上その関係性は重要視されています。

また、よく耳にする“五臓六腑”についても
説明しておきます。

“五臓六腑”とは、伝統中国医学において
人間の内臓全体を言い表すときに用いられたことばです。
五臓は陰の臓器であり、
肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓を指し、
六腑は陽の臓器であり、
胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指します。
さらに五臓に心包を合わせて“六臓”とする考え方もあります。

この五臓と六腑が
陰陽関係(陰と陽で互いに対立する属性を持つこと)に基づき、
バランスを保ち生命を維持していると考えられています。

そのような考え方を基に、
経穴、いわゆる“ツボ” が存在します。

今日は、高齢者のリハビリにも使える
効果的なツボを3つお伝えします。

合谷(ごうこく)

親指と人差し指のつけねのくぼみにある
昔から有名な万能つぼと言われています。

足三里(あしさんり)

膝蓋骨外側下部から指4本分下にあり、
胃腸症状、足の痛みや疲れなどに効くと言われております。
親指と人差し指で“L字”をつくり、
図のように膝に当てたときの
人差し指の先の部分でもあります。

三陰交(さんいんこう)

内くるぶしから指4本分上にあり、
“女性のツボ”と呼ばれ、
冷えや婦人科疾患などに効果があると言われております。

以上の“ツボ”を
症状にあわせて指で押してみてはいかがでしょうか。
意外と効果があるかもしれませんよ。

【リハビリコラム】介護スタッフでもできるリハビリ

今回は特養をはじめ、高齢者施設でできるリハビリについて、
私の経験もふまえ考えていきましょう。

以前、ある特養の介護現場で
リハビリケアの指導をしていた日のことです。

当然介護現場は今も昔もそうですが、
介護スタッフさんは忙しそうに仕事をしていたため、
なかなかリハビリに目を向けることができない状況でした。
そのような中、ある若い特養の介護スタッフさんが
次のようなことを私に聞いてくれました。

「週に1度、
個別リハビリにスタッフが付き合うことができそうなのですが、
優先してやったほうが良い方はいますか?
また、その方には何をすれば良いですか?」

このように前向きなお話をしてくれたことが
当時の私にとっては大変嬉しく思い、
一生懸命応えていきたいと強く思ったことを
今でも覚えています。

そして同時に私が痛感したことは、
『(介護スタッフが)身体機能から
リハビリで何をするべきか判断するのは難しい。』
ということです。

私は理学療法士であり、
解剖学や運動学、生理学など、
身体機能を判断するための勉強をしてきましたが、
介護スタッフさんは
入居者の身体機能を学ぶ機会が比較的少ないため、
その判断は極めて困難であって当然であるということです。

そこで、
『介護スタッフでも身体機能を簡単に判別する方法はないか?』
と考えました。

そして、私の頭の中をよぎったのが
『トリアージ』の応用です。

『トリアージ』とは、
人材・資源の制約の著しい災害医療において、
最善の救命効果を得るために、
多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、
治療の優先度を決定することです。

この“トリアージ”を応用し、
私の経験を基に様々な資料を鑑み、
試行錯誤した上考案したのがこのフローチャートでした。

忙しい介護現場でも
身体機能面や運動面から実施するリハビリに
優先順位を決めて対応するには有用です。

このフローチャートは、
立位保持が可能か否か、
つかまり立ちが可能か否か等で判断していくもので、
その分類に対するリハビリ例を挙げてみました。
基本的には中等度介助レベルの方から
優先的に実施していくことになっています。

その理由としては、自立レベルや軽介助レベルの方であれば、
ADL(日常生活活動)は自立されている方が多いため、
急激な機能低下は起こしにくく、優先順位は低くなります。
反対に全介助レベルに近い方は、
ポジショニングやシーティング等の環境設定や
集団レク活動や集団体操など、
集団的なアプローチが重要になってきます。

これに対し、中等度介助レベルの方は
介護スタッフが支援をしないとADLが低下してしまうため、
リハビリをして機能維持・改善をしないと
介助レベルも
どんどん亢進(=高い度合にまで進むこと)してしまう
ということになります。

ただし、このフローチャートが
すべての方にあてはまるわけでもありませんので、
随時個別ケアの観点より評価していただければと思います。

あくまでも参考ということですが、
これが結構介護現場では役に立ちました。

リハビリは業務独占ではありませんので、
基本的にはスタッフや家族等でも
適切な技術と評価をもってあたれば実施可能です。
また、“生活リハビリ”という形で
生活の中に入れ込んでいくのも大切です。

特養や有料老人ホーム等の高齢者施設では、
まだまだリハビリが不十分な状況下にあるかと思います。
高齢者がいつまでも元気な笑顔を見せてくれることを祈り、
今後もリハビリに取り組んでいただけたら幸いです。

注)このコラムでの“リハビリ”は、
特養等の高齢者施設の場合の“機能訓練”を指します。
より専門性の高いリハビリ内容に関しては、
主治医の指示や許可が必要となる場合もあり、
看護師やリハスタッフ等の医療スタッフと
連携をとって実施することが重要です。

【リハビリコラム】認知症のリハビリ

未解明なことが多い『脳』について、
4月7日付の米国の科学誌サイエンスで
『脳内で短期的な記憶が長期的な記憶に変わって
固定化される過程を明らかにした』
という発表がありました。

その記事によれば、
マウスの実験において容量の少ない海馬の記憶を、
大容量の大脳皮質に移すメカニズムを
初めて明らかにしたとのことで、
大変画期的な研究結果として載っていました。
大脳皮質にどのように知識が蓄えられるのか、
解明する手がかりにもなるとのことでした。

そこで今日は未解明なことが多い脳について
考えてみましょう。
さらに認知症と関わりの深い海馬と記憶について
関係性を勉強してみましょう。

まず、記憶の種類としては
一般的にはこのように分けることができます。

記憶を保つために脳は様々な回路を持っています。

そこで大切な役割をしているのが、海馬です。

海馬は『記憶の司令塔』と呼ばれ、
新しい記憶に関与すると言われています。
ちょうどタツノオトシゴのようなユニークな形をしており、
左右の脳に存在します。

また、海馬は
『「過去」と「今」の記憶をつなぐコネクター』
とも呼ばれています。

そして大脳の表面にある大脳皮質も
『記憶の保管場所』になっていると言われています。

ですので、脳血管疾患において、
大脳皮質に影響があった場合は、
記憶障害が現れたりします。

一般的に記憶は海馬から大脳皮質へ伝達され、
脳内に残るとされています。
このメカニズムに支障がでると
認知症の症状がでると言われています。

これらの症状に対して、
運動療法や食事療法などが良いとされています。

日ごろから『考える(脳を使う)』ということが大切であり、
『コグニサイズ』のように考えながら運動することも
認知症に効果があると言われております。

この『コグニサイズ』とはどういうものかと言いますと、
国立長寿医療研究センターが開発した
運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせた、
認知症予防を目的とした取り組みの総称を表した造語です。

英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせて
cognicise(コグニサイズ)と言います。

Cognitionは脳に認知的な負荷がかかるような各種の認知課題が該当し、
Exerciseは各種の運動課題が該当します。
運動の種類によって
コグニステップ、コグニダンス、コグニウォーキング、コグニバイクなど、
多様な類似語があります。
コグニサイズは、これらを含んだ総称としています。
国立長寿医療研究センターHPより引用)

また、脳は常に新しい刺激を求めており、
楽しいことやうれしいことなども
認知症予防には良いと言われております。
後ろ向きな考えより、
何事も前向きにとらえることが大切だと言われます。

ここで、皆様に一つ、
私が推奨している『生活リハビリ』の一つとして、
電車の乗り方についての前向きな考え方をご提案します。

例えば、電車で通勤する場合、
『健康のために一つ前の駅で降りて会社まで歩こう。』
という方がいらっしゃるかと思います。
そして運が良ければ、運賃も安くなり、
一石二鳥となることもあるかと思います。


上図のように差額が21円浮く場合は、
『お金が浮いた!!』
と考えることも良いかと思いますが、
そこからもう一歩思考を発展させて、
『会社まで歩けばお金がもらえる!!』
…と考えてください。

『21円浮く。』のと『21円もらえる!!』というのでは、
ニアンスが全然違いますよね。
ちょっと得した気分になり、
モチベーションも上がるのは、私だけでしょうか……?

このように、一人ひとりのちょっとした考え方の違いで
人生はバラ色になるかと思います。

生活にリハビリのエッセンスを加え、
心ときめく健康な暮らしをお送りください。

【リハビリコラム】生活リハビリをエンジョイ!

リハビリコラムが始まってからはや1年となりました。
時が過ぎるのは早いと感じるとともに、
当たり前のことですが、1年経過するとカラダも変化します。

そこで、高齢者のリハビリは
どのようなことを意識すればよいのでしょうか?

1年前にもお伝えしましたが、
高齢者のリハビリは継続することがキーポイントとなり、
そのためにはリハビリが
『うれしい。たのしい。きもちいい。』
となるように工夫することが大切です。

そして、それを継続するために、“生活リハビリ”という
日常生活全般をリハビリと捉えるという考え方は、
大変重要になってきます。

今回は行動を起こすために大切な“脳”について
少し考えましょう。

実は脳は感覚野と運動野に分かれており、
手や足など体を動かしたり、感じたりする部分は
すべて決まっているといわれております。
これはペンフィールドという脳神経外科医が
その昔発見したとのことです。

脳は非常に複雑なつくりをしており、
まだまだ解明されていない部分が
多く存在するといわれております。
その脳の機能として大切なのが前頭葉の働きであり
特に前頭前野の働きが大切であるといわれております。

前頭前野は、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられ、
生きていくための意欲や、
情動に基づく記憶、実行機能等を
つかさどっているといわれております。
前頭前野は、
いわば脳全体の司令塔や指揮者などに例えられます。

今日は前頭葉をきたえる脳のリハビリをご紹介しましょう。

さて、このイラストの名前を反対から言ってみましょう。

答えはゴリラですから、
反対から言うと、“ラリゴ”です。

次は4文字です。
この動物の名前を反対から言ってみましょう。

答えはシマウマですから、
反対から言うと、“マウマシ”です。

次の問題も4文字です。
この動物の名前を反対から言ってみましょう。

答えはニワトリですから、
反対から言うと、“リトワニ”です。

次の問題は5文字です。
この動物の名前を反対から言ってみましょう。

なかなか見ない動物ですが、
答えはアルマジロですから、
反対から言うと、“ロジマルア”です。

このように、普段生活で見かけたものを
逆から言ってみるだけでも脳のリハビリになります。

考えることにひと工夫すれば、
脳のリハビリになるのです。

皆さんも、街で“ゴリラ”や“シマウマ”を見かけたら、
是非反対から言ってみてください。
脳のリハビリになりますよ。

【リハビリコラム】介護と多職種のコラボレーション

最近“生活リハビリ”という言葉は定着したものの、
その本質を理解し、
理想的なケア体制を確立している施設は
実は少ないという気がします。

先日、一般社団法人全国個室ユニット型施設推進協議会
千葉支部主催で『介護とリハビリのコラボ』という考え方の下、
「目からウロコの“生活リハビリ”促進セミナー」
と題したセミナーを開催させていただきました。

入居者様の個別ケアを推進していくという考え方の下、
“生活リハビリ”をケアメソッドとして推進することは重要であり、
2025年問題を抱えるこれからの介護時代を乗り越える
大切なキーワードの一つであると考えております。

今回のセミナーは、このような社会問題を
リハビリと介護の両面から解決していくということをテーマに開催し、
明日からのケアのヒントになったと思います。

このセミナーを通じて感じたことは、
やはり介護と他職種の連携がいかに大切であるかということです。

一人の入居者様に対して、
その方のオリジナリティーを大切にした支援を提供していくことが
本来の個別ケアであり、
そのためには施設内のより多くの職種が
コラボレート(利的協力)することが
鍵となると考えております。

このメソッドを継続していくことが、
入居者様の心地よい暮らしの継続につながると信じております。

赤枝グループの各施設でも、
常にスタッフ同士の連携について、様々な取組みを考え
実践しています。
“他職種連携”が“多職種連携”になるよう
更なるサービス向上に繋げていきたいと思っています。

そして、『職種』だけではなく、
施設同士でも、そのつながりを密にし、
当法人グループの利用者様全てに、
心地よいサービス(=ケア)をご提供できるよう
引き続き、努力を重ねていきます。

【リハビリコラム】死は人生の終末ではなく“生涯の完成”である

以前は“シュウカツ”といえば、“就職活動”の略でしたが、
今では “シュウカツ”は高齢者が行う“終活”、
つまり、“人生の終わりのための活動”を指すことが多くなりました。

最近“看取り”という言葉がよく聞かれるようになり、
施設で最期を迎えられる方も多くなってきました。

今、改めて“終末期”について
見つめなおすことが大切であると考えられます。

例えば、みなさんが子を持つ親であるとしたら、
子供が生まれた瞬間(とき)の喜びは一生忘れないことでしょう。
そして、人間は一人で生きることは難しく、
支えられながら生涯を過ごします。
このように、お互い、“支え”となりながら生きていくことが、
人生の喜びにつながると考えます。

16世紀のキリスト教宗教改革者であるマルティン・ルターは
『死は人生の終末ではない。生涯の完成である。』
と述べています。
最期の瞬間(とき)まで生きる喜びが続くなら、
きっと人生はすばらしいものになると考えます。

全日本病院協会では終末期とは、

    1. 医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
    2. 患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること
    3. 患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること

の三つの条件を満たす場合をいいます。

リハビリ業界でも“終末期リハビリ”という言葉があります。

特養は終の棲家となることが多く、
終末期対応としての入居が多く、
看取り(死亡)退居も多いため、
QOL(生活=人生の質)の向上に重点をおいた
環境の提供を推奨すべきであると考えます。

では“終末期リハビリ”は一体いつ頃をさすのでしょうか?

リハビリは急性期、回復期、維持期(生活期・介護期)というように、
その名称は変化していきます。
様々な捉え方があるかとは思いますが、
私の経験上ではこれらの期間になんらかの著しい機能低下があり、
本人あるいは周りの人々が『死を意識したとき』が
“終末期リハビリ”のはじまりであると考えております。

そして、終末期リハビリは、
『加齢や障害のため自立が期待できず、
自分の力で身の保全をなしえない人々に対して、
最期まで人間らしくあるように
医療、看護、介護とともに行うリハビリテーション活動』
であるため、
巻頭に申したような“終活”にある意味匹敵します。

終末期に属する人を
最期まで人間らしくあるように支えていくのが
我々の使命だと思います。
そして、終末期における支援方法に答えはなく、
その答えは目の前にいる人といっしょに
創っていくものであると考えております。

入居者様にとって有意義な最期が迎えられるよう、
終末期リハビリもふまえ、
まごころ込めたケアに努めたいものです。

【リハビリコラム】できることからコツコツと…!

最近「フレイル」という言葉を耳にします。
これは年齢に伴って筋力や心身の活力が低下した状態を表します。

「サルコペニア」
「ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)」等も
最近よく聞く言葉です。

前者は筋肉量の減少と筋力の低下を特徴とした
身体機能障害や生活の質の低下などを伴う症候群を指し、
後者は骨や関節、筋肉の障害により
歩行や日常生活に支障をきたすことを指します。

今、これらのキーワードに対し、
各種団体・学会等があらゆる手段を講じているところです。

いずれにせよ、
これらの言葉は高齢者の“虚弱”に主眼をおいており、
今日本が目の当たりにしている超高齢社会という現状において
様々な事柄に影響を与えています。

介護・福祉業界でも
高齢者の心身機能が低下しないよう
様々な対策を講じることが必要になってきます。

皆様はどのような対策をされていますか?

より多くの高齢者が
活動的な暮らしができるようになることが求められています。

そこで今回は、“頭のフレイルを予防しましょう!!”と表し、
ある漢字を4分割して並び変えた図を用意しました。

さて、4つ合わせて何と読むでしょう?



 

 

 

 

 

 

 

ヒント:“虚弱”とは無縁の言葉です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは“無病息災”です。

楽しんでいただけましたでしょうか?

テレビや新聞などでも高齢者の虚弱に対し
様々な運動や体操、栄養摂取方法等が紹介されています。

健康を維持するために、創意工夫を凝らしながら、
より多くの笑顔がみられるよう、
できることからコツコツと頑張っていきましょう。

【リハビリコラム】健康経営~健康に投資する”という視点~

『健康経営』という言葉をご存知でしょうか?
1

経済産業省によると『健康経営』とは、
「従業員の健康保持・増進の取組が、
将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、
健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」
と定義されています。
2

さらに
「企業が従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、
戦略的に取り組む事は、
従業員の活⼒向上や⽣産性の向上等、組織の活性化をもたらし、
結果的に業績向上や株価向上につながると期待され、
国⺠のQOLの向上や国⺠医療費の適正化など、
社会課題の解決に貢献するものである」
といわれています。

今、『健康経営』は国や地方自治体から強く推奨されており、
認証制度をとり入れている団体も全国的に多くなってきました。

例えば、

  • 肥満の従業員が減った
  • 喫煙者が減った
  • 特定の病気で通院や治療している人の状況を把握している
  • 健康情報の提供を定期的に行っている
  • 健康増進関連のポスターなどを掲示している
  • 体操や運動に関する取組を行っている
  • 社員食堂や弁当等で従業員が食事をとるための工夫をしている

等が評価ポイントであったりします。
3

当法人が運営している各種施設のように、
ご利用者様の健康を管理する業種としては、
大変興味深い分野であり、
病欠や離職等を防ぐためにも大変有意義な考え方です。

各種自治体や企業、その他お住まいの地域でも
『健康経営』を意識した様々な取組があるかと思います。

企業でいえば、従業員の健康状況を管理し、
“健康に投資する”という視点で、
もう一度経営を見直してみるのも良いのかもしれませんし、
ご自身やご家族様のお勤め先が『健康経営』についてどのような取り組みをしているのか
確認してみてはいかがでしょうか。

【リハビリコラム】“ちょうどいい”介助で“元気で長生き”を!

先日、一般社団法人全国ノーリフティング推進協会主催の
第3回全国大会で演題発表を行ってきました。

全国の介護福祉施設から
リフトやスライディングボード等の
福祉用具を用いた介護の実施状況や、
厚労省関係者から
この国の目指す介護や福祉について学ぶことができ
大変良い勉強になりました。
1
(その様子は、こちらのブログでご紹介しています。
あわせて、ぜひご覧ください。)

介護現場では移乗介助に
『自信がない。』
『苦手。』
『腰痛で不安。』
という声がまだまだ多く聞かれます。
2

ノーリフティングポリシーを主軸とした
“持ち上げない、抱え上げない看護・介護”は、
このような悩みを解決するひとつのメソッドであると感じました。

ただし、決して忘れてはならない大切なことがあります。
それはこの概念の基盤に“自立支援”があるということです。
3

したがって、
用いる福祉用具の対象者や介助方法を適切に評価し、
適応を判断することが重要です。

そのためには、ケアスタッフの一人ひとりがそのスキルを向上させ、
それぞれの被介助者に安心して受けられる介助を提供することが
一つのポイントとなります。

これはまさに介護業界に求められる大切なメソッドであると思います。
4

以前このコラムで
『移乗動作を“生活リハビリの好機”として捉える』
ということをお伝えしましたが、
まさに移乗時に“ちょうどいい”介助をして自立支援を促すことが、
介助者と被介助者の間に共益な関係をつくることにつながります。

5
暮らしの中で残存機能をフル活用することが
廃用症候群を予防し、“元気で長生き”に結びつくと考えます。